こんにちは。ブログへのご訪問ありがとうございます。
愛知県東海市で中古住宅の不動産販売とリノベーションをしています「くらすま」店長の、わたなべです。
皆さんの家づくりのプラスになる知恵や情報を、女性店長ならではの目線でお伝えしていきます。
今回は、中古住宅を売りたいと考えている方が、損をしないためのお話です。

「更地にすると売れやすい」は本当なの?

「更地にすると売れやすい」は本当なの?

不動産情報を見ると、建ててからの年月が長く、「おそらくこのままでは住めず、解体や大規模なリノベーションをしないといけないだろうな」という物件は、「古家付きの土地」として紹介されていることが多いですよね。価格もほぼ、土地の分だけで、上にある家はオマケ的な存在。壊すなり、リノベーションなり、もしかしてそのまま住むなり、ご自由にという感じでしょうか。

一方、そうした物件は、すでに家を解体して更地にし、すっきりさせた状態で「土地」のみで販売されているものもありますし、売主さんがリフォームを済ませて「リフォーム済みの中古住宅」として販売されているものもあります。いろんな売り方がありますが、売主、買主の双方にとって望ましいのは、どれだと思いますか。

わりと年配の方々の間では今でも、「更地にしてから売った方が売れやすい」という話があるようです。これは「きれいな状態にした方が価値が高い」「家は自分で新築を建てるもの」という、昔からの価値観が効いています。

ですが実際のところ、「更地渡し」に良いところはあまりありません。もし私が古家付きの土地を売りたいと相談されたら「更地にするのは売れてからにしてください!」と言います。更地にすると、売れにくくなります。それには、大きく2つの理由があります。順に見ていきましょう。

法律が変わって、建替えが不可能に近い土地

法律が変わって、建替えが不可能に近い土地

1つめの理由は「法律は日々変わっている」ということです。住居を建てる場合の法律も、時代とともに変わってきました。新しくできた法律によって、「昔はここに家が建ったのに、今同じように建てることは許可されない」ということはよくあります。大きいものを2つ紹介しましょう。「市街化調整区域」の存在と、「がけ条例」です。

「市街化調整区域」の土地で、建っていた家を更地にして、土地だけ売る場合、買った人がそこに家を新しく建てることは、ほぼ不可能です。
市街化調整区域とは、計画的な都市づくりをするための「都市計画法」に基づき、家を建てることを控えるように定められた区域なのです。
その土地で農業をしている農家の住宅や、何らかの理由で市の許可が下りている場合を除いて、一般的な住宅を建てることはできません。

「がけ条例」は、がけの上や下に家を建てたせいで危険な目に合わないように定められた条例です。各県によって多少違いがありますが、敷地が崖に面している場合、その落差から倍以上下がったところからしか家が建てられない、というものです。例えば、崖の落差が2mなら、崖から4m以上距離をあけて、家を建てなければなりません。

安全面を考えるともちろん大切な条例ですが、崖の土質や角度、既存の家の頑丈さや擁壁の状態など、個々の状況をよく見ていくと、本来なら下げて建てなくても大丈夫だろうという土地もあります。そうした土地は、古家付きのまま売って、建替えではなくリノベーションをすれば、住み続けていけるわけです。一方、更地にしてしまった場合は、次に建てる時にはがけ条例が適用されるので、家を建てられるスペースが小さくなってしまうため、非常に売りづらくなります。

買主に選択肢を多く残すことが大切です

買主に選択肢を多く残すことが大切です

2つ目は、「更地で売ると、買主の選択の幅が狭まってしまう」ということです。更地になった土地を買うと、できることはもう新築を建てることしかありません。一方、古家が付いている場合買主は、
「すぐに解体して新築を建てる」
「古家をリノベーションして自分らしい住まいをつくる」
「しばらくは必要最小限のリフォームだけに留め、タイミングを見て建て替える」
など、いろんな選択ができるわけです。

選択の幅が広がることで、予算の幅も広がり、購入を考えやすくなりますよね。

特に、くらすまのお客様で多い「中古住宅を買ってリノベーション」を考えているお客様は、「自分たちらしい家づくり」を大切にしている方が多いです。
「1から新築を建てるより、中古を買って予算を抑えた分、リノベーションで自分たちなりにこだわった家づくりを楽しみたい」という方たちです。
そうした方たちは、「中古住宅のもっている良さを生かしながら、自分たちで考えてオンリーワンの家を作っていく」、その過程も大切にされます。
そのため、更地にしてから売ることは、その楽しみを奪ってしまうことになるんですよね。となると、購入の意欲も失せてしまうというわけです。
同じ理由で「リフォーム済み」として売り出すのも、お勧めできません。

最後にひとつ、こんなこともあります。
「古家」=土地にくっついたただのオマケ扱いの建物が、「古民家」と呼ばれるようになると、グンと価値が上がってきます。
最近、築100年くらいの平屋は、若い方たちにもかなり人気があります。

古民家は万人受けするわけではありませんが「古民家をリノベーションして暮らしたい」という方は、一定数います。
立派な太い柱や梁、年季の入った建具や造作家具、土壁などが好きで、「古いけどここでいいや」ではなく「ここにこそ住みたい!」と、価値を感じて買ってくれる人たちです。
長く住んできた家も、そんな人に譲ることができたらうれしいですよね。

古い家には、そうした可能性もあります。あなたにとっては価値が低くなった家も、誰かにとっては「この家が好き!」と言われるような価値を持っているかもしれません。
それを生かしてリノベーションしてくれるような人と出会えるように、まずはその家を残したまま、くらすまに相談に来てみてください。

くれぐれも、不動産屋に相談する前に解体業者に「更地にしてください」なんて電話なさらないように。あらゆる面で、もったいないですから!!

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